解説付 臨床工学技士国家試験 第36回 午後:第29問

耳用赤外線体温計による体温計測について誤っているのはどれか。

1: 鼓膜に赤外線を照射する。

2: 検出器にサーモパイルが使用されている。

3: 1秒程度で計測できる。

4: 挿入する角度により測定値がばらつく。

5: 鼓膜温は腋窩温よりも高い。

耳式体温計は、光学プローブ、赤外センサ、補償用内部温度センサ、信号処理回路、表示器などから構成されている。光学プローブの先端部を耳孔に挿入し、鼓膜や耳道の皮膚表面から放射される波長 10 µm付近の赤外熱放射の強度を測定し、プランクの熱放射則の関係から測定部位の温度を決定する。体温計の表示温度の校正は、温度が正確に分かっている黒体放射を耳式体温計に見させることで行う。

1:正解。鼓膜や耳道の皮膚表面から放射される赤外線の強度を測定している。

2:赤外線検出器として、熱型検出器(サーモパイル)が用いられる。

3:電子体温計に比べて非常に短時間で測定できるという特徴がある。耳用赤外線体温計は1~2秒、電子体温計の予測式では10~20秒、実測式(腋窩での測定)では10分以上かかる。

4:ばらつきの原因として、挿入する角度、深さ、耳垢、毛、外耳道の湾曲具合などによって鼓膜から放射される赤外線を捉えることができず測定に影響を及ぼす。

5:直腸温 > 口腔温、鼓膜温 > 腋窩温と中枢に近い順に高い値を示す。

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臨床工学技士 国家試験 過去問
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